始めに
飲食店で働く皆さん、本日もお疲れ様です。
先日アップした店長の仕事の中で、数字を追う事の重要性についてお話させていただきましたが、今回は数字を追っていくためのツールをエクセルで作成し、実際に使っていくところまでを説明していきます。
このシートを利用して、自店の経費管理に役立ててください。
利益計算シート
今回作るシートこんな感じになります。
あくまでも暫定的な利益計算ではありますが、数字を入力するとこんな形で表示されます
シート作成
では早速作成していきましょう!
先ずは日付と曜日を入力して、ウィンドウ枠を固定します。
更に、全体を選択して文字がはみ出ない設定と、数字の桁区切りをしていきます。
次に、各項目を入力します。
分かり易くするため、罫線を入れた後、アラカルトを簡単に出すために売上からコースを引く式を組み、下にコピーします
各項目の縦計が出る様にSUM関数で式を組みます
次にこのまま横にコピペしてすべての項目の縦計が出る様にします。
次に、売上の合計が出る様に式を組み
そして前年度売上のコースとアラカルトの縦計を足して
仕入れの縦計(買掛金と現金仕入れ)を足して
その他経費も同じように足して
仕入れと人件費とその他経費を足した合計が経費の部分に表示されるようにします
そして売上-経費の式を利益の部分に組みます
更に売上-仕入れで粗利も計算できるようにします
次に原価率と人件費率、利益率の部分を%にする為、画面上部中央の%の部分を選択し
更に、小数点第一位まで表示されるように%の二つ隣の←0.00の部分を選択しておきます
次に原価率を計算する為、仕入れ÷売上の式を組みます
次に人件費率を計算する為、人件費÷売上の式を組みます
更に利益率を出す為、利益÷売上の式を組みます
さっき一緒にやってしまえば良かったのですが、前年比率とコース、アラカルト部分も%表示にします
売上÷前年売上の式を組み
コースの縦計÷前年度売上のコースの縦計の式を組み
アラカルトの縦計÷前年度売上のアラカルトの縦計の式を組みます
人時売上になっていた部分をFL比率に変更します
元々は人時売上(1時間にスタッフ1名がいくら売り上げているか?の生産性を表す数字)を表示する予定でしたが、店舗の形態や売り上げに大きく左右されることが多いので、個人的にはあまり当てになる数字だと経験上感じなかったため、今回は変更させていただきました
そして、FL比率の部分に原価率と人件費率を足した式を組みます
(仕入れと人件費の合計÷売上が正しい式ですが、同じなので今回は分かり易くするために二つを足しました)
罫線で囲って表として分かり易く表示します
次に社員給与とその他経費の1日分の金額(あくまでも目安の数字)を算出する為の式を組んでいきます
先ずは、営業日数をCOUNTA関数で表の様に入力して計算します(選択範囲は1日~末日まで)
これは、入力してあるセルが範囲内で何個あるかをカウントする関数なので、当然31日まであれば31となります
次に出勤日数を計算する為、営業日数から休日数を引きます(今回は月8回休日がある形にしました)
次に、金曜日と土曜日の日数をカウントする為、COUNTIF関数を使用した式を組みます
この関数は選択した範囲内に特定の文字が何個あるかをカウントしてくれる関数なので、曜日の部分をすべて選択し、特定の文字を「金」と「土」にしています。
次に平日の日数を出す為、営業日数から金土と祝前を引く式を組みます
(祝前に関しては自身でカウントして入力してください)
ちなみに、金土と祝前は普通の飲食店なら売り上げが高くなるので、売上に合わせて人件費や経費の分配も高くしたいので分けています
取り敢えず入力する部分の色を黄色にしました
平日の1日分の社員給与を計算する式を組むのですが、今回は週末の売り上げが平日の3倍あると仮定して、社員給与も単純計算で週末分は3倍になる形にしています。 なので、社員給与の合計を金土祝前を足して3倍にした日数と平日数を足したもので割って1日分の給与を算出しています。
週末は、先ほど出した金額に3を掛けて算出しました。
ちなみに、式は赤で囲ってある部分を参考にしてください。
取り敢えず今回は社員が2名分で、40万円で設定しました。
なので、社員給与の部分を400,000と入力。 すると、平日と週末の1日分の社員給与が計算されるのでこの金額を人件費の部分に入力して行く事になります。 少し面倒ですが、日毎に入力して行く事で社員給与を含めた人件費を把握する事が出来ます。 それか、予め打ち込んでおいて、足す範囲を変更していく形でもよいと思います。 もっと便利なやり方もありますが、表が複雑になるので今回はこの形にさせていただきます。
そして、今回は2024年の7月のカレンダーで作成しているので、祝前が1日ある為、祝前の部分に1と入力しました。
ここまで出来たら、罫線で囲います。
次に、その他経費に関しても1日分の金額を出していきます。
ちなみに、その他経費とザックリとしていますが、ここには家賃などの固定費に加え、水道光熱費に広告費や管理費、求人費など変動する金額も含まれている為、予算を参考にFL以外の経費をまとめています。 あくまでも、暫定的な利益を把握する表なので、これでも問題ありませんが、精度は高いに越したことはない為、予算の精度が求められます。 予算の組み方に関しては以前アップした記事がある為、そちらを参考にしてみてください。簡単な飲食店の予算の組み方【前編】 簡単な飲食店の予算の組み方【後編】
その他経費の1日分を算出していく前に、そのまま社員給与の式をコピペで使うので、平日数と金土と祝前の日数の部分をF4キー(ファンクションキー4)で固定しておきます。
そうしたら、下の表の青い部分をコピーし、すぐ下に貼り付けて、(表ではすでに貼り付けてありますが)赤で囲った部分を削除し他の表が崩れないように上方向へシフトを選択しカットとペーストなどで下の表の様にきれいに整えたら、社員給与の部分をその他経費にし、1日あたりの給与を1日当たりの経費に変更しておきます。 少し分かり辛くて申し訳ありませんが、要は下の表の様になっていればOKです。
そうしたら、下の表の様に1日あたりの経費が出る部分が、その他経費を割る式になっているか確認してください。 日数は固定されているので、ペーストした段階で式が完成していると思います。
ちなみに。その他経費は1,200,000円で設定しました。
さて、ここまで出来たらあとは入力していくだけです。
では、取り敢えず売上を100,000でコースは適当に20,000にして、仕入れを35,000円、人件費とその他経費は先ほどの1日分の金額を入力し、前年度コースとアラカルトは適当に入力してみます。
すると、利益率が10%ほどで、利益が10,000ほど出る形となりました。
では、今度は経費等はそのままで、売上を70,000にしてみます。
すると、20,000円ほどの赤字となりました。
この売上げでは経費の使い過ぎだと気付く事が出来ます。 まあ、1日だけなのであまり参考にはなりませんが、これが1週間分となれば仕入れなどのバランスもとれて、精度が高くなっていきます。
今は適当な数字を入れたので実際の数字とは異なりますが、この表に実績を毎日入力して行く事によって、原価率や人件費率などを把握し、利益などの数字を追って行く事が可能となります。
最後に、分かり易いように、入力していく部分を黄色にして、表の完成とさせていただきます。
まとめ
今回は売上日報を使った利益計算の表を作成していく過程を説明させていただきました。
日々の数字を分析し、売上と仕入れや人件費などのバランスをコントロールし、より多くの利益が出る様に、この表を使ってみてください。
月の初旬から利益などを把握して行く事によって、途中で売上を作る為の戦略を変更したり、又は経費を削ったりと、様々な対応が可能です。
数字を追って行く事は店舗運営をしていく中で必須であり、その根拠などが説明出来て、責任を持つことが重要です。
そのツールとして、この表がお役に立てたら嬉しいです。