始めに
飲食店に勤める皆さんこんにちは。
皆さんはコースメニューを作る際にどんな事を考えていますか? 何に重点を置き、どんな目的で考えるかによって内容は変化します。そして、考え方の軸となるものがあれば内容が浮かびやすく、且つ自分たちの店舗に合ったコースが作れると私は思います。 そこで、今回は私自身の経験をもとにコースメニューの考え方、作り方についてお話させていただきます。是非参考にしてみてください。
コースメニューの考え方
先ず考えなくてはならないのが、どんな目的を持って作るのか?が重要です。 これが欠けていると、「何となく作ったお店に都合の良いだけのプラン」になってしまう可能性が高く、メリットが少ないと私は思います。
では、コースメニューのメリットとはなんでしょうか?以下に、そのメリットを上げていきます。
客単価が上がる
通常、飲食店の客単価は高級店でない限り、3,000円を超える事は難しいとされています。 普通にアラカルトで飲食した場合、客層にもよりますがなかなかに単価も上がりづらく、苦労されている店舗も多いかと思います。 実際に私がマネージャーをしていたお店でも、2,500円くらいを推移していました。 そんな中で、コースメニューは飲み放題などとセットにすることで、簡単に単価を稼げてしまいます。 実際、アラカルトでオーダーしてもなかなかコースの価格まで行く事は少ないのですが、この「価格が確定している安心感」で宴会などではコースメニューが選ばれることが圧倒的に多いようです。 なので、単価アップはメリットと言えます。
オペレーションの簡略化
コースメニューの場合、料理のオーダーを取る事が省略される為ドリンクさえ気にしていれば、ホール的に仕事は少しだけ楽な状態になります。 もちろん、ドリンク場は戦場になるのですが、そこさえ厚くしておけば良いといった状況になります、更にキッチンに関しても予め準備が出来る為、仕込みさえしっかりとやっておけば営業中は比較的楽な状態を作り出せます。 そう言った点から、オペレーションが軽くなり店側のメリットとなります。
新規客への宣伝のチャンス
コースメニューを頼まれる際に幹事の方の存在があると思いますが、そんな幹事の方がお店を選び、宴会に参加されるその他の方は、新規客として来店される場合が多いです。 なので、お店としてはその方々に再来店していただけるチャンスを得る、と言ったメリットになります。
原価率のコントロールがしやすい
いい意味でも悪い意味でも、原価率に影響が出やすいのがコースメニューです。 理由としては単価も出数も相対的に高くなりがちなので、そこに比例して売上構成比率も高くなります。 だから、このコースメニューで原価率をコントロールする事もよくあり、内容次第ではメリットにもデメリットにもなります。
私がコースを提供する際に感じていたメリットはこんな内容です。皆さんも自身の店舗に沿って考えたときにどんなメリットがあるのかを上げてみてください。
そしてこのメリットが結果、コースメニューを作る際の目的にもなると思います、なので、このメリットを組み合わせた内容を軸に、コースを決めていくと
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飲み放題込みで客単価以上の価格設定
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準備しておける料理内容
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お客様にとって魅力的なメニュー
と、こんな内容になってきます。
では、目的はと言うと
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売上向上
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人件費削減
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原価率のコントロール
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お客様の再来店(顧客づくり)
になります。
これらを軸にコースメニューを考えていくのですが、この際に何を優先順位にするか?がとても大事です。
なので、ここをスタートにどんな内容にするのかを考えていけば自身の店舗にとって意味のある魅力的なコースメニューが生まれるかと思います。
コースメニューの作り方
ここからは事務的な内容になります。
コースメニューを決めていく際に、どんな手順を踏んでいくのか? そこに重点を置いて説明していきます。
メニュー表作成
コースメニューを作っていく際に必要になってくるのがメニュー表と原価表になります。
手順として、これを先に作っておくとある程度シミュレーションしながら考えて行く事が出来る為、効率よくメニュー構成を決めていけます。 なので、コチラも参考にしてみてください。
エクセルで大枠を作成し原価率の式を組む
先ずはコース全体が分かる表を作成します
例によって「ファイル」「印刷」「戻る」の手順で1ページを把握したら
今回は中間の価格帯で設定した飲み放題付き4,000円プランの表を作成してみます。
先ずは、こんな感じで大まかな表にしてから、原価率の式を組みます(必ず原価率の部分は%表示にし、小数点第一位まで表示してください)
原価の式を組む
下の図のように、料理内容を入力できる部分と原価を入力する部分を作成し、コースの原価の部分に原価計が出る様に、SUM関数で式を組みます
料理単価の式を組む
今回は飲み放題を1,500円と設定し、料理単価の部分にコース金額から飲み放題分を引いた式を組みます
すると、料理単価が2,500円となりましたので、ここから原価率を出していきます
コース名は仮で春のプランとしました。
原価の細かい設定
料理は大皿で複数名に提供する形となるので、一皿分の原価が分かる形にします。
基本的に、1皿4名~5名で考えるので今回は1名分の原価を出すために4で割る式を組み、下へとコピーします
内容をシミュレート
さて、表が出来たらシートに別の価格帯を2個作成してコピペし、3種類のコースがある状態にしたら大まかな料理内容と何品なのかを考えつつ、想定される原価を打ち込んでみます
3種類作る理由としては松・竹・梅で竹の出数が高くなることを利用し、自店舗の押しているプランを出やすくするためです。
基本的に、この中間のプランは出数が高くなる傾向がある為、原価調整と魅力ある再来店を促すプランとして活用するために、メインに力を入れつつその他の料理で調整していく、と言った考え方になると思います。 そこは、ミーティングなどでどこに注力するのかを話し合って、バランスを考えながら作成してみてください。
と、以上がコースを作成する際に便利な表の説明でした。